歴史

京都大学化学研究所には半世紀に及ぶ電子顕微鏡の開発と応用研究の歴史が有り、とりわけ高電圧超高分解能電子顕微鏡の開発により、初めて分子構造を示す原子像の撮影に成功しました。この実績に基づき、現在では一層性能の高い「電子線分光型超高分解能電子顕微鏡」を用いて、試料内の静電ポテンシャルの解析に基づく分子構造・結晶構造の直接解析を行っています。 更に最近では、高速電子線のエネルギー損失分光法による元素分析・電子状態分析とそれらの二次元マッピング法の開発、電子線回折法による結晶構造解析を行う電子線結晶学の確立へむけて努力を行っています。 また、近年基礎化学的な研究手法として定着してきた走査プローブ顕微鏡による表面構造の研究も行い、有機分子吸着状態の解析を分子相互作用の観点から研究を進めています。
High voltage electron microscopy for image discrimination of constituent atoms in crystals and molecules, N. Uyeda et. al. Chemica Scripta, 14, 47-61, (1979).